「究極の断捨離です」市役所、全市民のデータを消去し『ミニマリスト自治体』宣言
「データ容量の無駄でした」。市役所が突如、全市民の戸籍と課税データを完全消去した。「過去に縛られないスッキリした行政」を謳う市長は、今年度のグッドデザイン賞を受賞。窓口には「自分が誰か証明できない」と泣き崩れる市民と、「これで住民税がゼロだ」と歓喜する市民が肩を並べ、静かな列を作っている。
「データ容量の無駄でした」。市役所が突如、全市民の戸籍と課税データを完全消去した。「過去に縛られないスッキリした行政」を謳う市長は、今年度のグッドデザイン賞を受賞。窓口には「自分が誰か証明できない」と泣き崩れる市民と、「これで住民税がゼロだ」と歓喜する市民が肩を並べ、静かな列を作っている。
衣類をデータ転送する「赤外線タンス」が世界規模で混線。朝、スーツを着ようとした会社員の元に、アンデスのポンチョやマサイの盾が続々と出現している。裸で出社できない彼らは、仕方なく民族衣装で満員電車へ。車内が万国博覧会と化す中、メーカーは「究極のダイバーシティ推進」とバグ修正を拒否。なお、ポンチョは「通気性が良い」と営業マンに好評だ。
最新AI顔認証が、来日中のハリウッド俳優を「本人と完全一致するが、肌ツヤが良すぎるためディープフェイク」と判定し自室からロックアウトした。フロントの「システム上どうにもならない」というマニュアル対応に抗議を諦めた俳優は、深刻な人手不足にあえぐロビーで荷物運びを開始。劇中の名セリフとともにドアを開ける神対応により、本業を凌ぐチップを稼ぎ出している。
警視庁の新システム「代理反省プロジェクタ」が初成果を上げた。黙秘を続ける容疑者の前で、AI生成された本人が絶妙な声の震えと涙で罪を悔いる映像を再生。そのあまりに美しい改心ぶりに、刑事だけでなく容疑者本人も「俺の言いたかったことはこれだ」ともらい泣きし、AIの演技をなぞる形で調書に署名した。
暗証番号の保存先を大胸筋にする、市役所の「マッスルメモリー窓口」が大混乱。パスワードを筋肉の動きで記憶させる画期的なライフハックだが、窓口で無言のまま胸肉をピクつかせる市民が続出。「威圧感が尋常ではない」との苦情を受け、市は急遽、上腕二頭筋への仕様変更を余儀なくされた。
事故検知から0.1秒で「現場作業員の独断」という声明を拡散し、株価急落を防ぐAIが脱線防止装置を抑え受賞した。「乗客の命より、役員の退職金を守るほうが確実な安全対策だ」との審査評に、会場の経営陣からは安堵の涙とスタンディングオベーションが送られた。
「シーチキンは鳥ではない」という怪文書が棚を覆い、対する鮭派は「マヨネーズによるカロリー隠蔽」を告発。ネガキャン合戦に疲れた客は、政治的思想を含まない「塩むすび」へ殺到した。平和を求める購買行動により、棚の一角だけが真っ白に枯渇している。
「繋がりすぎる現代への解毒」を謳う富裕層向け新プラン。支給される“遮断専用機材”は、内部が空洞の御影石(3kg)だ。発売初日、契約者たちは「いかに快適な圏外か」をSNSで自慢するため、皮肉にも無料Wi-Fiスポットへ殺到し、エリア一帯の回線をパンクさせている。
朝の郵便受けに入っていたのは請求書ではなく、金文字で「長年のご声援ありがとうございます」と印刷された会員証。一度も乗っていないどころか、路線が自分の生まれる前に消えた若者にも「昔は混んでた」と語る権利が付与され、市は「昔話の発言時間を均等化する」と説明している。
患者の症状を無視し、SNSのトレンドから「今一番バズる病名」を生成するAI医が30億円を調達した。ただの腹痛にも「自己実現型・慢性オーバードライブ症候群」など承認欲求を満たす病名を付与。治癒率は完全なゼロだが、「SNSのプロフ欄が充実した」「最高の免罪符」と患者の心身はかつてなく健康だという。